こんにちは!バイオリン講師のひかりです。
楽器を習うということについて
最近、生徒さんやこれから習おうか検討している人に伝えた方がいいかなと思うことは、
楽器を習得するということは、
「簡単ではないよ」ということです。
楽器の習得は出来ないことの繰り返し
なぜなら、
『楽器を習得する』ということは、
「できない!難しい!」の繰り返しだからです。
そもそも今までやったことがないことなので、出来ないのは当たり前で、出来ないから難しい!と思うのも当然と言えば当然なのですが、良い部分だけを目にしやすかったり、良いことだけしか教えてくれない世の中になりつつあるせいか、余計に認識にズレが生じやすくなっているように感じています。
楽器は体で身につけていくものです。
例えば、自転車を乗れるようにしていく過程と同じで、何度も転びながらも繰り返しチャレンジして、少しずつ体に教え込ませていくことで、出来ないことが出来るようになっていきます。
その一つのことを出来るようにするのにも2、3日では出来ません。
自転車に乗れるまでにも何日も費やして乗れるようになったと思うのです。
楽器を習うということは、この「出来ないことに向き合うこと」の連続です。
一つ出来るようになったと思えば、また次の出来ないことが出てきます。
それは成長していくために必要なことで、むしろ出来ることだらけだったら、何も成長が感じられません。
できるようになったこと、覚えたことを忘れずに、維持しつつ、次のステップに進んでいくことが必要になります。
そのため、継続して努力することが必要になります。
また、数日楽器を触らない日があれば、色んなことを忘れてしまいます。
例えば、レッスンで注意されたことや覚えたことも、忘れてしまえば、また次のレッスンで同じことを言われてしまったり、、、そうなるとなかなか前には進みません。。
なので、一言で結論をまとめるならば、
楽器を習得するということは、
「出来ないことに継続して向き合うこと」
だと思います。
その出来ないことをなるべく効率よく正しく出来るようにするために考えアドバイスするのは講師の役目だと思います。だけど、出来るようにするためにはやはり練習は不可欠で、練習しなくても出来るようになる方法は無いです。
あくまでも練習するのは自分(生徒さん自身)であり、レッスンに来るだけでは上達はしないということです。
積み重ねの先に楽しい世界が
また、「楽しければ上達はしなくても良い」
という考えを持って習い始める人もたくさんいると思います。
もちろん、それを否定するつもりは無いですし、そういう生徒さんもたくさん教えてきました。
ただ、一番の楽しさは、色んな曲が弾けるようになったり、できることが増え、自分が思うような表現ができたり自由に弾けるようになった時に感じると思います。
少し綺麗な音が出せただけでも楽しい!と感じられる人もいるし、それはとても素晴らしいことなのですが、その先には、もっともっと楽しい世界が待っているよと伝えたいです。
練習は大変かもしれないけど、それが楽器をやっていく醍醐味だと私は思っています。
音楽は「スポ根」?!
お子さんが全員、東大理Ⅲへ進学された佐藤ママもお子さんにバイオリンを習わせていたため、バイオリンついて以下のようなことを言っていました。
バイオリンは1、2日やらなかったら音が出なくて、音楽は体育系だなと思った。柔軟体操と同じで毎日やらないと良くならない。大変だなと思った。音楽は奥深い。
というお話をされていました。
「体育系」というのは核心をついているなと思いました。
突き詰めて考えると、楽器の習得も最後は本人の「気持ち」なのです。
スポ根みたいな考えは個人的には好きでは無いのですが、楽器を続けていくと、どうしても最後は「弾けるようになりたい」という気持ちが後押しとなります。
出来ないことにずっと向き合っていくというのは大変ですからね。
なので、音楽に対する興味と、弾けるようになりたいという気持ちは楽器を習得していくには必要不可欠だと思います。
こんな厳しいことばかり言われたら、習いたくなくなると思いますが・・・笑
誰でも自転車が乗れるようになることと一緒で、諦めずにしっかり向き合い続けることさえ出来れば、どんな人もある程度は必ず出来るようになります。
最後に
今回はあえて綺麗ごとは一切なしで書きました。
大変だなと感じるかもしれませんが、楽器を習得していくことで、忍耐力、集中力、諦めない精神力などなど、技術の習得以外にも得られることはたくさんあります。
良いことだけではなくて、大変なことも知った上で、そこで何を学ばせたいか、何を学びたいかを考えておけば、その習い事は貴重な学びになると思います。
ちなみに、佐藤ママは最後に
「大変だったけど、やらなくてよかったということは何もない」
と仰っていました☺︎
長くなりましたが、以上です!最後まで読んでいただきありがとうございました!
バイオリンの知識
2022.1.30
こんにちは!バイオリン講師のひかりです。
最近、肩当てを替えました(^^)
それまでは長年、「MACH ONE マッハワン」という肩当てを使用しておりました。
この肩当ては、もともと音大時代の師匠からおすすめいただき、ずっと愛用しておりました。軽くて、華やかな明るい音がするのが特徴です。
ただ、ここ近年、自分の姿勢やフォームなど色々見直しをしていて、もっと自分の体にフィットする肩当てはないかと思っていたところ出会ったのが、
「Bonmusica ボンムジカ」という肩当てです。
リンク
この肩当ての特徴は、人体構造学に基づいて作られており、なおかつ、身体に当たる部分を好みの形に曲げることができるので、他の肩当てに比べて細かな調整が出来ることです。
結果、肩当てを身体にしっかりフィットさせることができるため、肩や首への負担が少なく体にやさしいです。
使い始めて1週間ほどは、色々調節してみて、自分の体に一番フィットする状態を模索していましたが、形が決まると、とても弾きやすくてびっくりしました!!
無駄な力が抜けて、長時間弾いていても肩のあたりが楽ですし、フィット感が良いので左手のポジション移動が以前よりもスムーズになりました\(^^)/
楽器の安定感が増すと演奏の精度も上がりやすく、体に余分な負担がかからないので良いこと尽くめ◎
音色については、肩当てがアルミニウム合金で出来ており、クリアで発音が良いです♪
私の楽器には丁度良く、音色も気に入っています♪
ただ、一つ欠点があります。
それは、若干幅をとるので私の楽器ケース(バイオリンの形をしている)には入らない!!! ガーン。。
なので、外出するときは、ケースとは別に持ち歩く必要がありますね。
人それぞれ骨格や体型は違うので、一概にどんな人にもおすすめ!とまでは言えませんが、少しでも参考になれば幸いです☺︎
バイオリンの知識
2021.5.30
こんにちは!ひかりです。
教室では、生徒さんが少しでもやる気を出せるように、また、楽しみながら頑張れるように、頑張って弾けたらシールをあげています。
シールはスタートからゴールまで30個ほどのシールが貼れる台紙に貼って集めていきます♪
先日は、年少のH君がゴールに辿り着き、良いものをゲットしていきました!!
ゴールまでシールを集めると良いことがあるのですよ〜(^^)笑
とても嬉しそうにしていたH君は、新しい台紙になると、
「次もがんばる!!!」
と言ってくれました!!*\(^o^)/*
その言葉が聞けて先生はとっっても嬉しいです〜!!泣
そして、その言葉通り、H君は以前よりもレッスン中頑張れるようになってきました♪
素晴らしい!!
きっと今の台紙にシールがいっぱいになる頃には、また一回り大きく成長していることでしょう☺︎
今後の成長もますます楽しみです♪
レッスンのこと
2021.3.29
こんにちは!バイオリン講師のひかりです。
レッスンで生徒さんによくかける言葉があります。
「もっと〇〇練習しようね。」
◯◯に入る言葉は、きっと今までレッスンを受けてきた人なら、必ず一回は言われている言葉でしょう。
それは・・・
「ゆっくり」です!!
「あ〜、いつも言われているなー。」という人もいるんじゃないでしょうか?
でも、言われているからと言って落ち込む必要はないですよ!私もよく先生に言われてきましたし、今でも「ゆっくり、ゆっくり」と自分に言い聞かせながら練習しているくらいですので(^^;
それでは、先生はどういう時に「ゆっくり練習しようね」と言うのでしょうか。
まず、一つのよくあるのは、「間違えながら弾いている」とき。
そして二つ目、これは上達するために一番大事になることですが、「様々なことに気をつけながら弾けていない」とき。
様々なこと、というのは例えば、
・正しい音程で弾けているか?
・美しい音色で弾けているか?
・リズムは正確か?
・弓の使い方は適切か?
などなど・・・
先生によく注意される点については、特に気をつけて意識しながら練習することが大事です。
ゆっくり弾くと、間違えやすいところも、その他の様々なことにも注意をはらいながら弾くことが出来ます。
なので、簡潔に言うと、
「様々なことに注意を払いながら弾けるくらいのゆっくりな速さで弾く」練習をするのが良いでしょう。
誤解がないように言っておきますと、決して速く弾いてはいけない。ということではないですよ!
速いテンポでも、間違えずに様々なことに注意して弾けているのであれば、速く弾いても良いのです。
(速いテンポで弾かねばならない曲に取り組んでいる時には、最終的にはテンポを上げていく必要があるので、いつまでもゆっくり弾いていれば良いというわけではないです。)
ただ、この「ゆっくり」弾く練習。
とても忍耐力が必要です。
例えば、普段歩いてる速さの倍の時間をかけてゆっくり歩いて。と言われたら?結構大変に感じませんか?
動きをゆっくりにするというのは、それだけ神経も集中力も使います。なので、小さなお子さんほど、まだまだ忍耐力は大人ほどないので、ゆっくり練習することが大変に感じるでしょう。
ただ、忍耐力は伸ばしていくことができるので、とにかく苦手でも少しずつ取り組んでいきましょう。
忍耐力がつくと、バイオリンだけでなく勉強でも何でも他の事で活かすことが出来ます。大変だな〜と感じるかもしれませんが、ゆっくり練習に頑張って取り組めば、速く弾く練習だけしてきた人とは雲泥の差が出るほど、良い演奏が出来るでしょう。
ちなみに、世界最高峰のバイオリニストと言われるイツァーク・パールマンもYouTubeで何度も「ゆっくり練習しなさい」と言っています。このYouTube動画では、ゆっくり練習することについて具体的に話しています。
練習するときは必ずゆっくり行うこと。…(中略)…
あることを繰り返すとき、例えば、弓に関係する何かを練習していて、何度も繰り返している時、かすかに音程を外して弾いているとしたら、音程の外れた演奏の練習をしていることになります。
なので、
自分の演奏を本当にちゃんと、よく注意して聴かなければならないのです。
とても当たり前のことを言っているのは分かっています。
それでも大切なのは、とてもゆっくり練習すること、小さなセクションごとに練習すること、それから、忍耐強さです。
何かが月曜日には上手に弾けた、火曜日にはあまり上手くいかなかったとします。
それでも、諦めないでください。まだまだ、ということです。
ゆっくり練習することを、何回も繰り返しましょう。
水曜日には、きっと少し良くなっています。木曜日には、もっと良くなっています。
ただ、忍耐強さが非常に大切です。
How to practice – some expert advice from Itzhak Perlman.
(訳:練習の仕方 – イツァーク・パールマンからのアドバイス)
(* 1分01秒〜の部分を抜粋、翻訳しました)
「ゆっくり練習するように」と先生に言われて、聞き流していた人いませんか?あたり前じゃん。と思った人もいるでしょう。そういう人こそ、このパールマンの言葉をよく噛み締めて聞いて欲しいなと思います。
ちなみにグラミー賞を受賞しているヴァイオリニスト、ヒラリー・ハーンも娘さんに「ゆっくり練習して!」と言われています。笑
彼女も普段ゆっくりな練習をよくしています。
バイオリンの知識
2021.3.28
子供の頃のことをたまに聞かれるので、今回は私の子供の頃の話をちょっとしてみたいと思います。
ピアノを年中から始め、バイオリンは小学校1年生になってから始めました。
幼少期の頃のことを母に聞くと、途中で寝てしまったりで、あまりレッスンになってなかったと言われました(^^;
バイオリンは小学校に入ってからですが、途中で目眩がして倒れたり、泣き出したり、ボーっとしてたり、、、笑
先生には迷惑かけっぱなしでした。m(__)m
母に毎日のように「練習しなさい!」と言われていたので、渋々30分くらいは毎日練習しましたが、あまり身が入ってなかったなと振り返って思います。。
そんな感じなので、成長スピードが遅く、先生には他の生徒さんといつも比べられ、はっぱをかけられていたのをよく覚えています。(>_<)
↑子供の頃に使っていた教本の中の1ページ。たくさん注意書きされています(^^;;
そんな私がなぜ、バイオリンの先生になれたのか、ひとつ答えるとすれば、
「ずっと続けてきたから」だと思います。
私が一生懸命練習するようになったのは大人になってからでした。
練習の大事さ、基礎練習がいかに大事か、そういうことを知ったのも大人になってから。
はたから見れば、かなりの「遅咲き」かもしれません。
きちんと楽器と向き合える時期は人によって様々だなと思います。
天才と呼ばれるような人は、それこそ幼少期から夢中になって練習できていたんだと思います。
ということで最後に、
生徒さんに声を大にして言いたいことがあります。
それは・・・
「とにかく楽器を続ければ、ひかり先生くらいは弾けるようになるよ!」
と言いたいです。笑
生徒さんはみな、私の子供の頃よりずっと上手です!(*^^*)
これは胸を張って言えます!
なので、焦らず一歩ずつ前に進んでいきましょう♪
継続は力なりです☆
雑記
2021.2.28