こんにちは!バイオリン講師のひかりです。
レッスンで生徒さんによくかける言葉があります。
「もっと〇〇練習しようね。」
◯◯に入る言葉は、きっと今までレッスンを受けてきた人なら、必ず一回は言われている言葉でしょう。
それは・・・
「ゆっくり」です!!
「あ〜、いつも言われているなー。」という人もいるんじゃないでしょうか?
でも、言われているからと言って落ち込む必要はないですよ!私もよく先生に言われてきましたし、今でも「ゆっくり、ゆっくり」と自分に言い聞かせながら練習しているくらいですので(^^;
それでは、先生はどういう時に「ゆっくり練習しようね」と言うのでしょうか。
まず、一つのよくあるのは、「間違えながら弾いている」とき。
そして二つ目、これは上達するために一番大事になることですが、「様々なことに気をつけながら弾けていない」とき。
様々なこと、というのは例えば、
・正しい音程で弾けているか?
・美しい音色で弾けているか?
・リズムは正確か?
・弓の使い方は適切か?
などなど・・・
先生によく注意される点については、特に気をつけて意識しながら練習することが大事です。
ゆっくり弾くと、間違えやすいところも、その他の様々なことにも注意をはらいながら弾くことが出来ます。
なので、簡潔に言うと、
「様々なことに注意を払いながら弾けるくらいのゆっくりな速さで弾く」練習をするのが良いでしょう。
誤解がないように言っておきますと、決して速く弾いてはいけない。ということではないですよ!
速いテンポでも、間違えずに様々なことに注意して弾けているのであれば、速く弾いても良いのです。
(速いテンポで弾かねばならない曲に取り組んでいる時には、最終的にはテンポを上げていく必要があるので、いつまでもゆっくり弾いていれば良いというわけではないです。)
ただ、この「ゆっくり」弾く練習。
とても忍耐力が必要です。
例えば、普段歩いてる速さの倍の時間をかけてゆっくり歩いて。と言われたら?結構大変に感じませんか?
動きをゆっくりにするというのは、それだけ神経も集中力も使います。なので、小さなお子さんほど、まだまだ忍耐力は大人ほどないので、ゆっくり練習することが大変に感じるでしょう。
ただ、忍耐力は伸ばしていくことができるので、とにかく苦手でも少しずつ取り組んでいきましょう。
忍耐力がつくと、バイオリンだけでなく勉強でも何でも他の事で活かすことが出来ます。大変だな〜と感じるかもしれませんが、ゆっくり練習に頑張って取り組めば、速く弾く練習だけしてきた人とは雲泥の差が出るほど、良い演奏が出来るでしょう。
ちなみに、世界最高峰のバイオリニストと言われるイツァーク・パールマンもYouTubeで何度も「ゆっくり練習しなさい」と言っています。このYouTube動画では、ゆっくり練習することについて具体的に話しています。
練習するときは必ずゆっくり行うこと。…(中略)…
あることを繰り返すとき、例えば、弓に関係する何かを練習していて、何度も繰り返している時、かすかに音程を外して弾いているとしたら、音程の外れた演奏の練習をしていることになります。
なので、
自分の演奏を本当にちゃんと、よく注意して聴かなければならないのです。
とても当たり前のことを言っているのは分かっています。
それでも大切なのは、とてもゆっくり練習すること、小さなセクションごとに練習すること、それから、忍耐強さです。
何かが月曜日には上手に弾けた、火曜日にはあまり上手くいかなかったとします。
それでも、諦めないでください。まだまだ、ということです。
ゆっくり練習することを、何回も繰り返しましょう。
水曜日には、きっと少し良くなっています。木曜日には、もっと良くなっています。
ただ、忍耐強さが非常に大切です。
How to practice – some expert advice from Itzhak Perlman.
(訳:練習の仕方 – イツァーク・パールマンからのアドバイス)
(* 1分01秒〜の部分を抜粋、翻訳しました)
「ゆっくり練習するように」と先生に言われて、聞き流していた人いませんか?あたり前じゃん。と思った人もいるでしょう。そういう人こそ、このパールマンの言葉をよく噛み締めて聞いて欲しいなと思います。
ちなみにグラミー賞を受賞しているヴァイオリニスト、ヒラリー・ハーンも娘さんに「ゆっくり練習して!」と言われています。笑
彼女も普段ゆっくりな練習をよくしています。
#100daysofpractice Day 32.
When your practice coach is… 2 years old. pic.twitter.com/yp2DXe8Ppy
— Hilary Hahn (@violincase) February 2, 2021
2021.3.28